【原神考察】スカラマシュの誕生経緯と雷電将軍への復讐

*ver2.6、2022年4月に書いたものです。

 

スカラマシュ(散兵/国崩)の生い立ちについての考察です。

想像で補っている部分も多いのでそれを踏まえて読んでください。

 

 

 

おおまかな流れ

(1)誕生、封印

500年前・漆黒の厄災の後:

雷電将軍(人形)の試作品として作られる。廃棄予定だったが、情けにより力を封印され眠らされる。

↓↓

(2)目覚め

450~499年前:

エラーで目覚め、桂木に拾われる。

↓↓

(3)正体がバレる

御輿長正に人形だとバレる。

↓↓

(4)雷電に救援要請

桂木はスカラマシュを逃がし、上官の御輿長正に斬り殺される。

スカラマシュは将軍に助けを求めるが、助けてくれず雷電を恨むようになる。

↓↓

(5)ファデュイ加入

放浪していたところをファデュイにスカウトされる。封印を解かれ強い力を得る。

↓↓

(6)復讐

40~100年前:

復讐のため雷電五箇伝のうち3つを滅ぼしたが、「一心」の当主の楓原義慶が丹羽の子孫であることを知り、復讐をやめる。

↓↓

(7)現在

「心」を渇望していたスカラマシュは雷電の神の心を持ち去り逃亡、現在行方不明。

 

 

 

 

 

解説

(1)誕生、封印

500年前・漆黒の厄災の後:

雷電将軍(人形)の試作品として作られる。廃棄予定だったが、雷電影の情けにより力を封印され眠らされる。

 

 

 

雷電が肉体を捨てて一心浄土に篭るために、今の雷電将軍の体を作った。

その時の試作品がスカラマシュ

当初すぐ廃棄する予定だったが、可哀想に思った雷電影はその力を封印し、秘境・借景ノ館に華館の羽と共に眠らせた

 

資料

八重神子「影が自身の神の体を改造する前、『原型の人形』を創造したことがある...」

パイモン「じゃ、じゃあ雷電将軍は3人いるのか?」

八重神子「いや、あの原型はただ実現性を確認するためのもので、見た目も知能も影自身を設計して作られたものではない。言わば試作品じゃな。 」

八重神子「当時の計画では、それを直ちに廃棄する予定じゃった。しかし影はそれを残酷と思ったのか、それの体内にある力のみ封印することを選んだんじゃ。」

(魔神任務2章3幕 千手百目の浮世 願い)

あの子は将軍を作る時にできた副産物です。彼を制御しないのは、私の心の中で彼に対して借りを覚えているからでしょう。

(雷電将軍 国崩について)

妾は当時からあれを厄介なやつだと思っておった。じゃがあやつは、自身の創造したものじゃからと手を出したくないと言いおった。こうなると分かっておれば、あやつに黙って処分しておいたというのに。

(八重神子 国崩について)

神が創造した超越者であるにもかかわらず、役立たずとして捨てられた

(蒼白の炎 超越の盃)

彼は最初、「心」の容器として生まれた。

しかし、夢の中で涙がこぼれた。
創造者は認めたくなかったが、それに気づいてしまったのだ。
彼は器物としても人間としても、あまりにも脆いと。

 

彼を破壊できずに躊躇した創造者は、そのまま眠らせることにした。

(華館夢醒形骸記 衆生の歌)

俗世間より切り離されし館から持ち出された矢羽状の物証。作り手の憐憫により、眠りについたある亡き骸と共に館へと置かれた。

(華館夢醒形骸記 華館の羽)

古代俗世間から離れた武人が、大地の隅に世外の光景で、華麗な邸宅を建てたそうだ。

(借景ノ館)

 





 

 

(2)目覚め

450~499年前:

エラーで目覚め、桂木に拾われる。

 

450~499年前としているのは、桂木と共に登場する御輿長正が500年前の漆黒の厄災を経験していることから。

 

 

 

「未知なるエラー」で目覚めたスカラマシュは名椎の浜にてたたら砂の刀工・桂木に出会う

資料

未知なるエラー「休眠」から目覚め、天地と凡人の世界を渡り歩いた。

(蒼白の炎 超越の盃)

その後、美しい人形が目を覚まし、流浪を始めた。

(華館夢醒形骸記 衆生の歌)

後日、その中で白紙のように気が狂った傾奇者が見つかった。

(借景ノ館)

「…それと、桂木様が名椎の浜を見回りしていた時、名無しのかぶき者を見つけた…」

(古い手帳)

 

桂木スカラマシュの身分を隠し、たたら砂の刀工たちの元へ連れ帰る。

資料

若く、心優しい副官が言った。

「この金の飾りは、将軍から授かった身分の証である。」

「世を渡り歩く時、やむを得ない場合を除き、」

「身分を決して他人に明かしてはならない。」

(華館夢醒形骸記 華館の羽)

 

 

 

 

そして、目付(監察官)御輿長正が両手剣・桂木斬長正(当時の名は大たたら長正)を完成させ、

同じく刀工である宮崎造兵司佑兼雄(兵器製造官)と桂木と剣舞を振る舞う

資料

「…やっと長巻の一振りを造り出せた。その名は『大たたら長正』…」 

「…目付様も非常に喜んでいる、造兵司佑様と…」 

「…望は『大たたら長正』の美しさに感動し、それのために絵を描いた…」 

「…浮浪のかぶき者の剣舞…」

(古い手帳)

「…彼と共に『大たたら長正』を作った喜びを忘れたくない。あの夜に、無名のかぶき者と桂木と剣舞を振舞った喜びを…」

(古い手帳)

 



 

 

 

 

 

(3)正体がバレる

御輿長正に人形だとバレる。

 

 

刀工たちと過ごしていたスカラマシュだが、御輿長正に正体がバレてしまう

目付の御輿長正はスカラマシュを処分しようとしたと思われる。

 

*「処遇」が少し曖昧な単語なので他言語も。

中:处置(処置する、処罰する)

英:deal with(処理する、対処する)

韓:처벌하다(処罰する)

 

資料

剛直な目付は言った。

「この金の飾りは、将軍から授かった身分の証。

だが、あなたは人間でも器物でもない

このような処遇となり心苦しいが、どうか恨まないでいただきたい!」

(華館夢醒形骸記 華館の羽)

 

 

 

 

 

 

 

(4)雷電に救援要請

桂木はスカラマシュを逃がし、上官の御輿長正に斬り殺される。

スカラマシュは将軍に助けを求めるが、助けてくれず雷電を恨むようになる。

 

 

 

たたら砂やヤシオリ島には昔から祟り神(魔神オロバシの亡骸から出る高濃度の元素)による奇病(発熱、頭痛、吐血、発疹...)が蔓延している。

 

桂木雷電将軍から身分を保障されているスカラマシュなら

病に苦しむたたら砂の人々を助けてくれるかもしれないと考え、

嵐の中スカラマシュを逃がし、稲妻城へ向かわせる

資料

昨日を捨てた傾奇者は、もうそのことを思い出しはしないだろう。

しかし耳を塞いでも、その時の豪雨や嵐は聞こえてくる。

期待に満ちた目をした者が言った。

「この金の飾りは、将軍から授かった身分の証である。」

「きっと人々を苦しみから解放できるだろう。」

(華館夢醒形骸記 華館の羽)

「流浪者、流浪者、どこ行くの?」

流浪の少年は子供の声を聴いて立ち止まった。

彼はたたら砂の労働者の子供、病気をしていても、澄んだ目をしていた。

少年は子供に、自分がどうしても稲妻城へ行かなければっと言った。

「しかし、今は大雨だし、この前出た人たちは誰も戻っていないって彼らが言ってた!」

少年は口を開き、何か言おうとしたが、結局微笑みしかできなかった。

彼が再びこの島に足を踏み入れた時、子供の姿はすでに消えた。

(華館夢醒形骸記 形骸の笠)

 

 

 

 

御輿長正は自分に逆らいスカラマシュを逃がした桂木を殺す

 

長正は目付という立場、そして母親が雷電将軍に逆らった過去から裏切り行為に厳しかったのではないだろうか。

また、この時のことから両手剣「大たたら長正」は「桂木斬長正」と呼ばれるようになる。

資料

「…かぶき者の行方も分からない…」 

「…目付様は怒り、桂木を斬った。その斬れ筋は、まさに大業物…そして自ら作った長巻をたたら炉に捨てた…」

(古い手帳)

自分の部下である桂木の些細な不作為でも、容赦なく斬り捨てた。

その後、この刀の名前と別称が違うものになった。

(桂木斬長正)

 

 

 

スカラマシュは稲妻城では取り合ってもらえず、そのまま鳴神大社に向かったのだろう。

「すべての物語も業火に焼き尽くされ、消えてしまった」が比喩か実際に火災が起こったのか分からないが、

結局助けが来ることはなく、雷電を恨むようになったのではないだろうか。

資料

美しくて活気がある巫女が言った。
「この金の飾りは、将軍から授かった身分の証である。」
将軍は決してあなたを見捨てない。」
「私も最善を尽くし、即刻の救援を手配する…」

 

…しかし、金色の矢羽はやがて埃に埋もれ、
すべての物語も業火に焼き尽くされ、消えてしまった。

(華館夢醒形骸記 華館の羽)

 

「美しくて活気がある巫女」は一人称や口調が浅瀬響に近いが、本人かどうかは不明。

 

 

 

 

 

(5)ファデュイ加入

放浪していたところをファデュイにスカウトされる。封印を解かれ強い力を得る。

 

 

 

放浪していたところを「愚者」=ファデュイに誘われ閣下と呼ばれる人物に従い稲妻を去る。

その後、執行官としてモンドへ向かう。

(イベント「帰らぬ熄星」の時の話かと思われる)

資料

八重神子「その後、あれはただの人のように、己の意志を頼りに稲妻の土地を彷徨い続けた...ファデュイに目をつけられるまでは。」

パイモン「ファデュイ!」

八重神子「そしてその原型の人形は、ファデュイたちに調整され、力の封印が解かれたんじゃ。いや、封印前よりも強大になっているかもしれぬな。」

(魔神任務2章3幕 千手百目の浮世 願い)

愚者が彼を見つけるまで、彼は数え切れないほどの年月の漂流から、こんな経験を会得した。

僕はすべての人間を越える「人間」、神でさえも僕の運命に干渉できない。
人も神も運命も僕を裁く権利はない。どのように残りの寿命を過ごすかは、僕の自由だ。

 

仮面を被る彼らと一緒に行動するのは面白そうだ、その仲間になってもいいだろう。

(蒼白の炎 超越の盃)

稲妻人、どこへ行く?これはあんたが乗れる船じゃないんだぞ!」
流浪の少年は港の船夫に止められた。
ちょうど少年が抜刀する直前、同行する男が彼を抑えた。
男は船夫に、この異国の少年は自分と同行することを伝えた。
閣下の客人ということですね、これは失礼しました。」
男が防寒の上着を少年に渡したが、少年は首を横に振った。
彼はただ、今回の旅でどんな面白いことが見られるのかを知りたがっているだけ。

 

執行官様、どちらへ行くのですか?」

少年は騒がしい人間が大嫌いのため、部下の顔を殴った。

しかし、少年は怯えた無力な人間を観察することを何よりも楽しんでいた。

この愚かな部下が彼のそばにいられるのも、部下の表情の豊かさが原因だろう。

彼は震えながら地面に跪く人に、今回は東方向のモンドへ行くっと言った。

「かしこまりました。直属護衛たちに準備をするように!」

護衛なんて必要はないが、彼はもう馬鹿者と話す気がなかった。

彼は再び流浪の笠を被り、一人で東へ向かった。

(華館夢醒形骸記 形骸の笠)

 

 

 

ファデュイ加入との前後関係は不明だが、「国崩」と名乗るようになる。

雷電への復讐の決意の現れだろう。

資料

稲妻の伝統的な芝居には、「国崩」と呼ばれる登場人物がいる。

彼らは通常、国を盗むことを目的とし、悪事を働く者。

流浪の果てに、彼は自らの意志でこの名前を選んだ

そして、それまで使ってきた名は、今はもう自分でさえ覚えていない。

(華館夢醒形骸記 夢醒の瓢箪)

 

笠に歌舞伎っぽいお面がある。



 

 

 

 

 

 

 

(6)復讐

40~100年前:

復讐のため雷電五箇伝のうち3つを滅ぼしたが、「一心」の当主の楓原義慶が丹羽の子孫であることを知り、復讐をやめる。

 

40~100年前としたのは楓原義慶が万葉の曽祖父であることから。

 

 

 

スカラマシュは助けに応じてくれなかった雷電を恨み雷電が直接教え、国の宝とされる雷電五箇伝を滅ぼし、国を傾けようと画策する。

わずか数年で経津、百目、千手を滅ぼし一心に手をかけていた。

 

 

スカラマシュは一心が鍛造するよう命じられた重要な御神刀の鍛造図を改ざんする。

当然、失敗が続いた刀工たちは、罪に問われることを恐れて逃亡してしまった。

一心を受け継ぐ楓原家と刀工を管理する社奉行は逃げた刀工たちを追い、スカラマシュに会う。

 

 

楓原家当主・楓原義慶(万葉の曽祖父)の顔を見たスカラマシュは

「丹羽」との関係について問いただした。

 

楓原家の当主が楓原家に養子に入った丹羽の血筋だと知ると

「彼女に告げよ、我が名は『国崩』である」

雷電に自分のことを伝えるよう告げ、去っていった。

 

 

そして、おそらく楓原家当主が丹羽だと知ったことがきっかけで

急に興が乗らなくなってしまった、と復讐をやめる。

 

 

雷電五箇伝は全滅を免れたものの、多くの武士が責任を問われ地位を失った。

 

資料(雷電五箇伝)

稲妻の薙刀術と剣術、それに刀の製造方法は基本的に私が伝授したものです。そこから、人々の個性によって枝分かれしていきました。

(雷電将軍 直伝について…)

稲妻の刀剣は古来より世に知られており、雷電五箇伝」は国にとっても重要なものである。  

だが、わずか数年のうちに五つの伝承はそのほとんどが失われた

無数の有力者がその陰謀に巻き込まれ、関与した一族は皆、責任を負って追放された。  この一件により社奉行の神里家でさえ、部下の監督不行き届きで責任を問われることとなった。

(八重神子 キャラストーリー)

天目、経津、一心、百目、千手、
それは、かつて「雷電五箇伝」と呼ばれたもの。
しかし、今は「天目」だけが伝承されている
「一心」にも、かろうじて後継者はいた。
民衆の考えでは、これらは単に時間の流れが招いた必然の結果。
突如として訪れた衰退に、何か秘密が隠されているなど思いもしなかった。

(華館夢醒形骸記 夢醒の瓢箪)

資料(一心)

神里綾華「「雷電五箇伝」とは、かつて稲妻の最上位にあった五つの鍛造流派なのです。この五つの家系は刀鍛冶の名家でありながら、社奉行においても重要な官職についていました。」

神里綾華「しかし残念ながら、雷電五箇伝において、現在に至って受け継がれているのは「天目流」のみ。そして「一心伝」は、技法は失われてしまったものの、その末裔はまだ存続しております。」

神里綾華「楓原家こそが、「一心」流派の末裔なのです。」

パイモン「万葉の家が、身分の高い武家だって言うのは知ってたけど…まさか社奉行や刀鍛冶とも関係してたなんてな。」

楓原万葉「うむ、されど遥か昔のことに過ぎぬ。「一心伝」は拙者の曽祖父の代には、すでに没落していた。」

(略)

神里綾華「以前お兄様から聞いたことがございます。「雷電五箇伝」の没落はとても早く、わずか数十年のうちに、そのうちの三家が数々の不幸に見舞われ、やがて完全に姿を消したそうです。」

(イベント「華やぐ紫苑の庭」 薄墨淡朱の新しき絵画)

楓原万葉「「一心伝」が拙者の曽祖父の代にあった頃、とある古い鍛造図を用いて、重要な御神刀を鍛造するよう命じられた。 」
楓原万葉「経験豊富な刀工たちが鍛造したにも関わらず、その工程は困難を極め、出来上がった刀はどれも欠陥品であった。 」
楓原万葉「期限は目の前であるのに、刀が完成しない。担当の刀工たちは、罪に問われることを恐れてみな逃亡してしまったのでござる。 」
楓原万葉「楓原家と社奉行は調査を行い、曽祖父と神里家当主もやっとのことで、海辺にいる刀工たちを見つけたが… 」
楓原万葉「しかし刀工たちの激しい抵抗にあい、結局は逃亡を阻止できなかった。 」
楓原万葉「楓原家は傘下の刀工たちの離反を許すこととなったために厳しく罰せられ、それ以来没落していったのでござる。 」

(イベント「華やぐ紫苑の庭」 黒に染まりし宵暗の御所)

あれは、社奉行の神里様と共に離反した刀工たちを追っていたときのことであった。あのとき神里様が負われた傷は、脱走者によるものではない。
真相は別にある。あれは夜のことであった。手がかりを頼りに岸辺まで辿り着いたものの、刀工の姿はなく…ただ一人の傾奇者がそこにいた。傾奇者は拙者をずっと待っていたと話した。そして、自らが裏で手引きし、雷電五箇伝を消滅させるのだと語った。
その者の実力は、到底常人が敵うものではなく、須臾の間に、同行したすべての武士が倒されてしまった。神里様も重症を負われたが、拙者のほうはというと、攻撃が笠に当たったために死を免れた。
傾奇者がもう一振りしていれば、拙者の命を奪えたであろう。ところがやつは拙者の顔を見ると攻撃をやめ、厳かな声で、拙者と「丹羽」の関係について問いただした。拙者はそれが父の旧姓であり、父が失踪したのち拙者が楓原の養子になったことを告げた。
傾奇者はそれを聞いて口を噤んだ。長い沈黙の後、口を開いた――「彼女に告げよ、我が名は『国崩』である」と。そしてその後、その者は去っていった…

鍛造がうまくいかなかったのは、この傾奇者によって大御所様の鍛造図を改ざんされてしまったが故であった。

(略)
楓原の当主として、『一心伝』の没落を深く恥じる。しかし一人の父として、子孫の安泰を願わずにはいられぬ。

(イベント「華やぐ紫苑の庭」  楓原義慶の手紙)

流浪者は決して認めない、

自分が成したことは、刀職人への復讐のためであったと。

そして当然、これも口にはしないだろう、

計画も半ばのところで、急に興が乗らなくなってしまったことを。

(華館夢醒形骸記 夢醒の瓢箪)

 

 

丹羽とは誰か?

丹羽はたたら砂でスカラマシュを拾った刀工・桂木のことではないかと考えている。

現実では刀工は「安綱」「宗近」「吉光」など下の名前で通っていたので、桂木も名前の可能性がある。

実際、御輿長正は長正様と呼ばれている。

 

「丹羽桂木」という名前は非常に違和感があるが、ゲーム内には変な名前の人が割といる(気がする)ので許容範囲内?

 

江戸時代は当たり前に改名していたらしいので桂木姓が丹羽姓に変わった可能性もあるが、御輿長正が改名しなかったのを見ると、稲妻では改名は一般的ではないと見られる。

(御輿長正の兄・御輿道啓は御輿の名を捨て、後に岩蔵道胤となるが、 岩蔵は天狗から授かった名前なので特殊な事例だと思う)

 

 

丹羽については片手剣・波乱月白経津のストーリーにて

経津伝」三代目当主の義兄の弟子の楓原景光丹羽長光赤目実長の三人が一心伝の「一心三作」を生み出したことが書かれている。



 

 

 

 

 

(7)現在

「心」を渇望していたスカラマシュは雷電の神の心を持ち去り逃亡、現在行方不明。

 

 

 

もともと心を入れるデザインとして作られたスカラマシュ。優しい人々に触れるうちに自身の心も欲するようになる

ファデュイから心(邪眼?改造?)を貰うが、それは本来欲しかった暖かい心では無かった。 

 

 

または、

「そして美しい人形はついに、その「心」を手に入れた。それは彼の誕生の意味であり、存在の目的でもある。

これをかつて手に入れた「心」がスカラマシュの生きる理由だったと捉えるなら、雷電への復讐心からスカラマシュにも心が生まれたと考えることもできる。

資料

彼は最初、「心」の容器として生まれた。

(略)

彼を破壊できずに躊躇した創造者は、そのまま眠らせることにした。
それ以降、彼女は作品に心臓を収納するという設計を諦めた。

(略)

彼は、様々な心を見てきた。
善良なもの、誠実なもの、毅然としたもの、温和なもの…
人形も、心臓を欲しがった。

 

そして美しい人形はついに、その「心」を手に入れた
それは彼の誕生の意味であり、存在の目的でもある。
しかし、それは人形が本当に望んでいた物ではなかった
なぜなら、それには祝福が一切含まれていない。
ただ友好的な外見に包まれた、
自分勝手で、偽善的で、狡猾で、呪いに満ちた供物

 

善と悪、すべてが衆生の物語、無用なものでありながら騒々しい。
しかし、この「心」を掘り出せば、
もう何も感じられなくなる

(華館夢醒形骸記 衆生の歌)

夢で見たのは、月明かりの下で歌に合わせて踊り出した幻影。
まるで遠い昔の白紙のような少年である。
また、恨みや苦しみがすべて解消された後、
最終的に脆くて壊れやすい、単純な自我が表面に出る。

 

浮浪人は自分が夢を見る能力を持っていることが知らない。
これは単なる学者たちの子供騙しと思い込み、
あるいは、かつての心臓の些細な抵抗だったのかもしれない。

 

「かつて、あなたは憧れの『心』を手に入れた。」
「しかし、それは嘘やごまかしのための道具に過ぎない。」
「だが今は、あなたがやっと自分だけの物を手に入れる。」
「この偽りの結合の体も、日の目を見る権力を得られる。」

 

「しかし、これらはただのえいがのゆめ。」
「やがて、大地の苦しみの嘆きの中に散っていく…」
これを言ったのが、未来の自分なのか、それとも過去の自分なのか分からない。
浮浪人はそれを全く気にしていない。いずれにせよ、夢から覚めた時、
消えていくのは自分ではなく、縹渺たる未来である。

(華館夢醒形骸記 栄花の期)

 

 

 

稲妻にて、旅人の命と引き換えに八重神子が持っていた雷電将軍の神の心を貰う

資料

八重神子「待て、『神の心』と言ったか?」

(略)

八重神子「あれなら、妾が差し出した。」

旅人「ん?」

パイモン「えっ?」

八重神子「そうでなければ… 如何にして『散兵』から汝の命を救ったと思う?」

旅人「あの時もう渡してたの...」

八重神子「『散兵』は今やファトゥスの第六位、実力においては『淑女』よりも上じゃ。」

(魔神任務2章3幕 千手百目の浮世 願い)

 

 

そして、神の心を持ったままファデュイとも連絡を断ち、行方をくらましてしまう。

資料

タルタリヤ「『神の心』を持った『散兵』は俺たちと連絡を絶った... これにはおそらく何か裏がある。」

(イベント「謎境一揆」 執念と虚飾からの解放)

 

 

 

 

「この偽りの結合の体も、日の目を見る権力を得られる。」(華館夢醒形骸記 栄花の期)

 ↓ 

「偽りの結合の体=邪眼による心(または復讐心)の入った体」から、神の心を手に入れたことで、「日の目を見る権力を得る=神になる」ということだろうか?

 

 

 

 

 

 

その後、雷電五箇伝への復讐について楓原義慶(万葉の曽祖父)が何か残したのではないかと考えたファデュイが楓原家の物品が保管されている倉庫に侵入するも、何も見つけれず稲妻を去る。

 

 

「ファデュイのスパイ」=泥棒はスカラマシュ本人ではない。

彼の過去を隠そうとしたのは、 一体「誰」だったのだろう?」とあり、時系列的にも、神の心を持って消える→開国→倉庫侵入であれば

この倉庫侵入はスカラマシュの意思ではないのだろう。

資料

神里綾人「あれは、将軍様鎖国令を撤回したばかりの頃のこと。天領奉行で何かの事件が起きたというのが耳に入りました。」

神里綾人「証拠品や盗品が保管されていた倉庫に、泥棒が入った形跡を見つけたのです。けれど、何も消えてはいなかった。」

神里綾人「私はこれを普通の事件だとは思えず、天領奉行の九条裟羅にこう伝えました——当分の間は、何もなかったかのように振る舞い、倉庫の警備を強化したり場所を変えたりしないでほしいと。」

神里綾人「そして私は終末番に倉庫を見張らせました。すると、やはり何者かが倉庫に忍び込み、楓原家の物を物色している姿を見つけたのです。」

パイモン「まさか、そいつもあれを探して…」

神里綾人「その者を少し泳がせましたが、結局何も見つけられなかったようで船で稲妻を出て行きました。」

パイモン「なんで捕まえなかったんだ?」

神里綾人「ふふっ、秘密を守る一番いい方法は、秘密がないふりをすることだと思いませんか?それにその者の正体も、決して推測が難しいというわけではありません。」

神里綾人「その者が稲妻を離れた後に、私も本格的に楓原家の物品を調査しました。そしてあの盆栽の中に、あれらの紙切れを見つけたのです。」

神里綾人「すぐに、これらの紙こそが、侵入者が探していた「秘密」だと確信しました。まあ、あの者も「秘密」が本当にあるかどうかは確信がなかったと思いますが。」

(イベント「華やぐ紫苑の庭」 五彩光華に隠されし真相)

綾人によれば、 かつてコソコソと秘密を探しに来た男は、 ファデュイのスパイだったという 。しかし、 彼の過去を隠そうとしたのは、 一体「誰」だったのだろう?

(イベント「華やぐ紫苑の庭」 黒主の絵姿)

 

 

 

 

 

 

 

 

補足 - たたら砂「古い手紙」

全文

僭越ながら小生は、長正様が刀鍛冶をするのは彼の心境に良い影響を与えると考える…」
「…『御輿』の汚名をそそぐことに執着するのは、実に気力を消耗する…」
「…それと、桂木様が名椎の浜を見回りしていた時、名無しのかぶき者を見つけた…」

(*金次郎が書いたと思われる)

「…目付様は玉鋼錠をいくつか買った…」

「…造兵司佑様、そして桂木様と夜通し鍛治の心得を話していた。」

(*金次郎が書いたと思われる)

「…やっと長巻の一振りを造り出せた。その名は『大たたら長正』…」
「…目付様も非常に喜んでいる、造兵司佑様と…」
「…望は『大たたら長正』の美しさに感動し、それのために絵を描いた…」
「…浮浪のかぶき者の剣舞…」

(*金次郎が書いたと思われる)

「…かぶき者の行方も分からない…」
「…目付様は怒り、桂木を斬った。その斬れ筋は、まさに大業物…そして自ら作った長巻をたたら炉に捨てた…」
「…望はそれに不満を抱き、燃え溶けた刀を取りに行き…大やけどをした…」

(*書き主不明)

「…望はその夜死んだ…桂木様は職責を汚したとはいえ、すべて善意からのものだったと思う…」

(*金次郎が書いたと思われる)

「…燃え溶けた長巻と望の描いた絵を武器庫に隠した…」
「…いつの日か目付様が、桂木様を斬るよりも前に感じたことがあったであろう刀鍛冶の喜びを思い出してくれることを願う…」

(*金次郎が書いたと思われる)

「…金次郎は長巻と望の描いた絵を武器庫に隠した…」
「…長正は厳しいが、白黒ハッキリしている。しかし、それは同時に、非情でもある。優の名は、明朗で愛に満ちた支配者である…しかし、私もたたら砂の者も、その母の千代の事に目を奪われ、長正を信頼していない…」
「…彼と共に『大たたら長正』を作った喜びを忘れたくない。あの夜に、無名のかぶき者と桂木と剣舞を振舞った喜びを…」

(* 宮崎造兵司佑兼雄が書いたと思われる)

「…撤退する時、武器庫の鍵を三つに分け、一つは目付様に、一つは造兵司正様に、一つはたたら砂に残し、賊の侵入を防ごうとした。」
「しかしあまりにも慌ただしかったため、目付様と造兵司正様を見つけられず、三つの鍵すべてたたら砂にある三つの宝箱に隠すしかなかった…」

(*500年前の宝箱がそのまま残っているのは不自然。

最近の幕府と抵抗軍の戦いの中で書かれたと思われる)

 

 

登場人物

・かぶき者

スカラマシュのこと。

 

・桂木

心優しい刀工。スカラマシュをたたら砂に連れて帰る。

 

・御輿長正/目付

厳格な刀工。目付(監察官)。

母親が雷電将軍を裏切った汚名をそそぐことに執着している。

大たたら長正(桂木斬長正)を作る。桂木を殺す。

 

・宮崎造兵司祐兼雄/造兵司祐

刀工。

造兵司=兵器製造を司る官司。造兵司佑= 造兵司の判官。

 

・金次郎

御輿長正の部下。「古い手帳」のほとんどの書き主。

 

・望

絵師。やけどで死ぬ。

 

ストーリー

(*個人的な解釈です)

 

御輿長正がたたら砂の目付(監察官)に任命された。

長正はかつて雷電将軍の盟友だった母親・虎千代が雷電将軍に剣を抜いたことで周りに信用されておらず、その汚名をそそぐことに執着していた。

しかし、刀を作る時だけはそれを忘れて刀に熱中しているように見えた。

 

たたら砂の刀工・桂木が見回りをしていた時に名椎の浜でスカラマシュを発見し、連れて帰ってくる。

 

 

長巻の鍛刀にあたって、長正は同じく刀工の造兵司祐(兵器製造長官)と桂木と夜通し鍛治の心得を話す。

 

長正は造兵司祐に教えを請いながらついに両手剣・大たたら長正を完成させた。

一同は喜びに溢れ、絵師の望は大たたら長正の絵を描き、スカラマシュ、桂木、造兵司祐は剣舞を披露した。

 

 

 

…そして、スカラマシュが消え去る。長正は怒り、大たたら長正で桂木を斬り、刀を炉に捨てた。

 

望はそれを取りに炉に入り大やけどを負って死んだ。

 

 

長正の部下・金次郎は大たたら長正と望の絵を武器庫に隠した。

造兵司祐は大たたら長正を完成させた夜のことを思い憂う。